臨床神経学

<シンポジウム(3)―10―2>神経筋疾患の超音波診断

脱髄性ニューロパチーの超音波診断

杉本 太路1), 越智 一秀1), 松本 昌泰1)

1)広島大学病院脳神経内科〔〒734-8551 広島県広島市南区霞1-2-3〕

脱髄性ニューロパチーにおける超音波検査による神経サイズ拡大については脱髄型Charcot-Marie-Tooth病(CMT),慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP),Multifocal motor neuropathy,POEMS症候群などで報告がある.われわれは正中神経,尺骨神経,頸神経根における複数の測定部位での神経サイズ基準値を求め,影響因子や信頼性の検証をおこなった.その上で,脱髄型CMTではCIDPと比較し末梢神経のすべての測定部位で高度な神経サイズの拡大をみとめること,頸神経根の神経サイズの比較では必ずしも鑑別できないが神経中間部の神経サイズ拡大部位数を算出することで鑑別可能になることを明らかにした.今後神経超音波検査の鑑別補助診断としての臨床応用が期待される.
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(臨床神経, 53:1208−1211, 2013)
key words:シャルコー・マリー・トゥース病,慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー,神経超音波検査,神経サイズ拡大

(受付日:2013年5月31日)