臨床神経学

<シンポジウム(2)―7―3>筋疾患研究最前線

筋強直性ジストロフィー

石浦 章一1), 小穴 康介1), 古戎 道典1)

1)東京大学大学院総合文化研究科〔〒153-8902 東京都目黒区駒場3丁目8-1〕

現在まで,筋強直性ジストロフィーの完璧な治療法はない.私たちは,ミオトニアを指標とする塩化物イオンチャネルのスプライシングの正常化に関して,モデル動物をもちいて2つのアプローチをおこない,効果をしらべた.1つはアンチセンス法で,バブルリポソームという新しい方法で効率的に骨格筋にアンチセンスを導入し,ミオトニアを正常化することに成功した.もう1つは低分子化合物で,塩化物イオンチャネルのスプライシングを正常化する物質マニュマイシンAを同定し,効果を明らかにした.
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(臨床神経, 53:1109−1111, 2013)
key words:筋強直性ジストロフィー,スプライシング,塩化物イオンチャネル,ミオトニア,治療

(受付日:2013年5月30日)