臨床神経学

<シンポジウム(1)―5―4>Corticobasal Syndrome

CBSのバイオマーカーと鑑別診断

徳田 隆彦1)

1)京都府立医科大学分子脳病態解析学講座〔〒602-8566 京都府京都市上京区梶井町465〕

Corticobasal syndrome(CBS)の原因疾患を病歴と神経学的所見のみで正しく生前診断することは困難であり,バイオマーカーの開発が求められているが,未だ確立されたものはない.生化学的バイオマーカーでは,大脳皮質基底核変性症(CBD)とPSPはともに4Rタウオパチーであるので,髄液中の総タウ蛋白(t-タウ)がこれまでに多く検討されている.しかし,ほとんどが剖検例ではない臨床例の検討であり,対照群あるいはPSP群と比較して,増加していた報告と差がなかった報告とがあって確定的な結論がえられていない.個々のタウオパチーに特異的なタウ蛋白断片を髄液中に同定しようという試みがおこなわれている.
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(臨床神経, 53:1033−1035, 2013)
key words:大脳皮質基底核変性症,大脳皮質基底核症候群,タウオパチー,バイオマーカー

(受付日:2013年5月29日)