臨床神経学

<シンポジウム(1)―5―2>Corticobasal Syndrome

CBSと関連する遺伝子変異

土井 宏1), 田中 章景1)

1)横浜市立大学学術院医学群神経内科学・脳卒中医学〔〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9〕

CBSの病理学的診断は多彩であり,遺伝学的背景も多彩である.病理学的には前頭側頭葉変性症(FTLD)である頻度がもっとも高く,他にAlzheimer病,Creutzfeldt-Jakob病,Parkinson病/Lewy小体型認知症などが挙げられる.FTLDの原因として頻度の高いMAPT,GRN,C9orf72変異やTARDBP,FUS,LRRK2,CSF1R変異例では臨床的にCBSを呈する可能性があることが欧米を中心に知られている.しかし日本人のCBS発症に関与する遺伝子については,単一遺伝子異常,疾患感受性遺伝子ともにまったくわかっておらず,今後多施設間で症例を集積,解析していく必要がある.
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(臨床神経, 53:1026−1028, 2013)
key words:大脳皮質基底核症候群,大脳皮質基底核変性症,遺伝学

(受付日:2013年5月29日)