<シンポジウム(3)―7―4>脳画像と自律神経系
脳画像と膀胱機能
榊原 隆次
東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科〔〒285―8741 千葉県佐倉市下志津564―1〕
いちじるしい発展がみられるポジトロン断層撮影(PET)などの機能的脳画像が,近年,膀胱に応用されている.その結果,これまで動物実験および局所脳病変から推定されてきた“排尿中枢”が,健常人の膀胱負荷時の脳賦活部位とおよそ一致することが明らかとなり,ヒトの膀胱自律神経活動に,大脳が積極的に関与することが明らかにされつつある.本シンポジウムでは,PET,SPECT,NIRSをもちいた検討について紹介した.機能的脳画像での解析結果が,さらに,神経疾患にともなう膀胱自律神経障害を理解する一助となることが期待される.
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(臨床神経, 52:1282−1285, 2012)
key words:脳画像,基底核,前頭前野,過活動膀胱,尿失禁
(受付日:2012年5月25日)