短報
Villaret症候群を呈した内頸動脈解離の1例
水谷 真之1）＊, 十九浦 礼子1）, 松村 謙1）, 渡邊 睦房1）, 花川 一郎2）, 鎌田 智幸1）
＊Corresponding author: 都立墨東病院神経内科〔〒130―8575 墨田区江東橋4―23―15〕
1）都立墨東病院神経内科
2）同 脳神経外科
症例は50歳の中国人男性である．2010年4月上旬頸部痛が出現，その後数日して構音障害，嚥下障害を自覚し当院受診．左IX〜XII脳神経麻痺，Horner徴候（Villaret症候群）をみとめた．頭部MRIではあきらかな脳梗塞はなく，左内頸動脈解離をみとめるのみであった．抗凝固療法，抗血小板療法を開始し症状は徐々に改善し，第31病日自宅退院．これまでVillaret症候群のみを呈した内頸動脈解離の報告は少ない．下位脳神経麻痺の鑑別に内頸動脈解離を加える必要がある．
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(臨床神経, 51：608−611, 2011)
key words：内頸動脈解離，Villaret症候群，下位脳神経麻痺
（受付日：2011年3月3日）
