臨床神経学

総説

パーキンソン病の治療と病態

望月 秀樹

Corresponding author: 北里大学医学部神経内科学〔〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1〕
北里大学医学部神経内科学

パーキンソン病は,頻度の高い変性疾患である.L-ドーパ療法自体は,短期間の使用では副作用も少なく,パーキンソン症状をもっとも改善させる薬剤であるが,長期使用により日内変動やジスキネジアを生じることがある.そのため早期パーキンソン病における治療法は,ドパミンアゴニストの使用が推奨される一方で,患者によってはドパミンアゴニストによる副作用も問題になっている.本総説では,パーキンソン病の初期治療,L-ドーパの毒性,嚥下障害,QOLについて述べる.現時点では,L-ドーパがやはり一番中心的な薬剤となるであろう.しかし,個々の患者でリスクとベネッフィトをよく検案し,治療方針を決定することが望ましい.
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(臨床神経, 50:623−627, 2010)
key words:パーキンソン病,レボドパ,初期治療,嚥下障害,生活の質

(受付日:2010年7月6日)