臨床神経学

原著

ガバペンチンによるミオクローヌスの発現/増悪.自験162例の後方視的研究

小出 泰道, 池田 仁, 井上 有史

Corresponding author:独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター〔〒420-8688 静岡市葵区漆山886〕
独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター

当院でのガバペンチン(GBP)使用例の中で,ミオクローヌスの発現/増悪をみとめた症例について,その臨床的特徴の検討をおこなった.全162例の使用例の中で対象となった症例は3例であり,既存発作にミオクローヌスを有するものが2例ふくまれた.軽症でありいずれも後遺症を残すような重篤なものはなかった.しかしこれまでの報告で腎不全例,オピオイドを使用する担癌例,ミオクローヌスを有する症例に対してGBPが使用された際に重篤なミオクローヌスが出現したとの報告もあり,とくに既存のミオクローヌスを有する症例では,海外のてんかん治療ガイドラインも考慮すると,GBPは推奨されないものと考えられた.
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(臨床神経, 49:342−347, 2009)
key words:ガバペンチン, ミオクローヌス, 増悪, ガイドライン

(受付日:2009年2月25日)