臨床神経学

第50回日本神経学会総会

<シンポジウム4―3>アルツハイマー病の診断と治療開発
γセクレターゼ活性制御によるアルツハイマー病治療

富田 泰輔

東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室〔〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1〕

アルツハイマー病患者脳に蓄積する老人斑,神経原線維変化の主要構成成分はアミロイドβ蛋白(Aβ)およびタウ蛋白である.遺伝学・生化学的解析から,Aβ産生および蓄積過程がAD発症機序に深く関与していることが示唆されており,アルツハイマー病発症機序におけるアミロイド仮説として広く受け入れられている.そのため,γセクレターゼ活性制御による脳内Aβの存在量および蓄積過程の制御は,発症機序に基づいたdisease-modifying therapyとなることが期待されている.
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(臨床神経, 49:845−847, 2009)
key words:アルツハイマー病, アミロイドβ蛋白, γセクレターゼ阻害剤, γセクレターゼモジュレーター

(受付日:2009年5月21日)