臨床神経学

楢林賞

パーキンソン病およびレビー小体型認知症の早期診断法の確立とその病態機序に関する研究

織茂 智之

関東中央病院神経内科〔〒158-8531 東京都世田谷区上用賀6-25-1〕

レビー小体病では,病早期より始まる心臓交感神経の変性により心臓のmeta-iodobenzylguanidine(MIBG)集積が低下し,これは他のパーキンソニズム,parkin関連パーキンソン病,アルツハイマー病との鑑別の一助になる.心臓交感神経の変性をとらえうるMIBG集積低下とレビー小体の存在は非常に密接に関連していることより,MIBG集積の明らかな低下は,レビー小体存在のバイオマーカーであると考えられる.さらにαシヌクレイン凝集物は心臓交感神経変性に先立って沈着しており,αシヌクレイン凝集物と心臓交感神経の変性が密接に関連しているものと思われる.
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(臨床神経, 48:11−24, 2008)
key words:パーキンソン病, レビー小体型認知症, 心臓交感神経, MIBG, αシヌクレイン

(受付日:2007年1月26日)