臨床神経学

短報

T2*強調画像で経時変化を観察した緩徐進行性の延髄出血の1例

岡田 陽子, 芝崎 謙作, 井口 保之, 井上 剛, 木村 和美

川崎医科大学脳卒中医学教室〔〒701-0192 岡山県倉敷市松島577〕

症例は52歳の男性である.突然右半身の触覚低下が出現したため入院した.神経所見上右半身の異常感覚と触覚・振動覚の低下をみとめ,頭部MRI T2*強調画像にて延髄出血と診断した.経過中,左舌下神経麻痺と難治性吃逆などの神経症候の悪化とともに,血腫周囲の浮腫をみとめた.延髄出血の診断および経時的変化の観察において,T2*強調画像が有用であった.

(臨床神経, 47:519−521, 2007)
key words:延髄出血, T2*強調画像, 触覚振動覚低下, 舌下神経麻痺, 難治性吃逆

(受付日:2006年12月29日)