臨床神経学

短報

頭痛と外眼筋麻痺を主徴とした特発性頸動脈海綿静脈洞瘻の2例

小川 剛, 田邉 肇, 神崎 真実, 海田 賢一, 元吉 一夫, 鎌倉 恵子

防衛医科大学校内科3・神経内科〔〒359-8513 埼玉県所沢市並木3丁目2番地〕

眼球症状をともなわない頭痛と眼球運動障害を主徴とする頸動脈海綿静脈洞瘻(carotid-cavernous fistula, CCF)を2例報告した.両例とも当初他疾患をうたがわれ,47歳女性例ではMRAの異常が診断のきっかけとなった.41歳男性例ではMRI・MRAで明らかな異常所見をみとめずCT血管造影で異常をみとめ診断にいたった.原因不明の頭痛・眼球運動障害ではCCFも念頭に積極的に血管系の検索をおこなう必要がある.

(臨床神経, 47:516−518, 2007)
key words:頸動脈海綿静脈洞瘻, 頭痛, 眼球運動障害, CT血管造影

(受付日:2006年11月1日)