臨床神経学

原著

日本人多発性硬化症患者に対するミトキサントロン治療の検討

小森 美華, 田中 正美, 村元 恵美子, 大野 美樹, 松本 理器, 村瀬 永子, 北川 尚之, 斎田 孝彦

国立病院機構 宇多野病院 MSセンター〔〒616-8255 京都市右京区鳴滝音戸山町8〕

インターフェロンβ1b療法で再発を抑制できない,日本人多発性硬化症患者に対するミトキサントロン(MITX)の治療効果について検討した.2005年1月以降2006年4月までに9例を対象に治療を開始した.平均年齢は39歳,平均EDSSは6.7であった.9例中7例は3椎体以上の脊髄病変を有していた.積算投与量が増えるにしたがって,再発頻度および障害度の進行は減少した.日本人の重症多発性硬化症患者においても,MITX療法が有効であることが示された.

(臨床神経, 47:401−406, 2007)
key words:多発性硬化症, 視神経脊髄型多発性硬化症, 視神経脊髄炎, ミトキサントロン, インターフェロンβ1b

(受付日:2006年9月4日)