臨床神経学

報告

日本神経学会認定施設における卒後研修の実態

篠原 幸人, 平田 幸一, 栗原 照幸, 糸山 泰人, 國本 雅也

日本神経学会認定施設認定委員会〔〒113-0034 東京都文京区湯島2-31-21号 日本神経学会事務局内〕

日本神経学会認定の教育および教育関連各認定施設における卒後研修の実態を把握するために,アンケート調査をおこなった.回収率は91%,教育施設でも専門医数は5人以下のことが圧倒的であり,人的な資源は乏しいといえた.しかし,研修プログラムについては,不充分ながら存在すると回答した教育施設が圧倒的に多かった.また臨床神経学研修の到達度に関しては,脳死判定など一部の項目を除き,ほとんどの施設で到達度が高いとの回答がえられた.関連する臨床他科での研修プログラムについては,脳神経外科,精神科,小児神経などへのローテーションは少なく,この点では現在まで指摘され続けている問題点をクリアしているとはいえなかった.

(臨床神経, 46:245−253, 2006)
key words:卒後教育, 日本神経学会認定施設, 質問紙法調査, 卒後研修プログラム

(受付日:2005年8月22日)