臨床神経学

短報

激しい起立性頭痛を訴える患者の臨床的特徴と転帰

荒井 元美1), 高田 知季2)

1)聖隷三方原病院神経内科〔〒433-8558 静岡県浜松市三方原町3453〕
2)同 麻酔科

日常生活が妨げられる激しい起立性頭痛のために入院した自験12例の臨床的特徴と転帰について症例集積研究をおこなった.随伴症状の種類や頻度,髄液検査や画像診断学的検査で異常所見がみられる頻度は特発性低髄液圧症候群についての他の報告とほぼ同等であった.保存的治療をおこなっていても激しい起立性頭痛が2週間以上続くばあいには硬膜外自家血注入(EBP)を考慮して脳槽シンチグラフィをおこない,髄液漏出部位あたりに少なくとも2回はEBPをおこなってみるべきであることが示唆された.

(臨床神経, 46:230−232, 2006)
key words:起立性頭痛, 特発性低髄液圧症候群, 髄液漏出, 硬膜外自家血注入, 転帰

(受付日:2005年6月13日)