臨床神経学

短報

脳炎型スギヒラタケ関連脳症の1例

小原 講二1), 大川 聡1), 小林 道雄1), 高橋 聡2), 渡辺 純夫1), 豊島 至1)

1)秋田大学医学部内科学講座神経内科学分野〔〒010-8543 秋田県秋田市本道1-1-1〕
2)同 統合医学講座放射線医学分野

症例は65歳男性で,腎不全で透析中であった.スギヒラタケ最終摂食から7日間の後,意識障害で初発し,けいれん重積状態となった.発熱,CRP高値,多核球優位の髄液細胞増多を示した.脳MRIは基底核にびまん性病変と大脳皮質に多発リング状病変をみとめた.治療はグルココルチコイドが有効であった.本例はスギヒラタケ関連脳症に脳炎型が存在することを示している.

(臨床神経, 45:253−256, 2005)
key words:スギヒラタケ, 脳症, 脳炎, MRI, 髄液

(受付日:2004年12月24日)