臨床神経学

原著

高校生における一次性頭痛の特徴

鈴木 紫布, 平田 幸一, 辰元 宗人, 星山 栄成, 小林 映仁

獨協医科大学神経内科〔〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880〕

高校生2,462例を対象に一次性頭痛につき調査した.頭痛経験者は男子41.6,女子55.0%で,頭痛初発年齢は男子12.1,女子12.9歳であった.片頭痛のICHD-II改変診断基準のうたがい例は男子13.7,女子17.5%で,緊張型頭痛ではICHD-I改変診断基準で男子23.0,女子30.6%であった.高校生の頭痛調査でも,その有病率は過去の同年齢層を対象とした世界的な調査結果とほぼ同様であった.片頭痛と診断された群は緊張型にくらべ,学業,日常生活への影響が有意に大きく,鎮痛薬の服用が常用化する傾向があり,その医療機関受診率の低さからも高校における頭痛教育の必要性を喚起するものと考えられた.

(臨床神経, 45:717−723, 2005)
key words:片頭痛, 緊張型頭痛, 頭痛教育, ICHD, 薬剤誘発性頭痛

(受付日:2005年3月22日)