臨床神経学

原著

オリーブ橋小脳萎縮症および皮質小脳萎縮症におけるMRIと3D-SSPの比較

濱口 浩敏1), 苅田 典生1), 保坂 加代2), 藤井 正彦2), 千原 和夫1)

1)神戸大学大学院応用分子医学講座(内分泌代謝・神経・血液腫瘍内科学)〔〒650-0017 兵庫県神戸市中央区楠町7-5-2〕
2)同 生体情報医学講座(放射線医学)

脊髄小脳変性症患者の123I-IMP SPECT統計学的画像(以下3D-SSP)とMRI画像とを比較検討した.オリーブ橋小脳萎縮症(以下OPCA)13例,皮質小脳萎縮症(以下CCA)7例を対象に,3D-SSPをもちいて脳血流パターンを解析した.同症例に頭部MRIを施行し,大脳皮質・小脳・脳幹部の萎縮度を評価した.OPCA例では,MRIの小脳萎縮度に比して3D-SSPで血流低下が著明であり,CCA例では逆に血流低下が少なかった.脳幹・大脳皮質はMRIの方が病的変化を反映していた.3D-SSPとMRI画像を比較することが,OPCAとCCAの鑑別診断において一助となる可能性がある.

(臨床神経, 44:263−267, 2004)
key words:オリーブ橋小脳萎縮症, 皮質小脳萎縮症, 3D-SSP, 123I-IMP SPECT, MRI

(受付日:2003年6月19日)