臨床神経学

症例報告

発症早期からMRI拡散強調画像を経時的にしらべえたCreutzfeldt-Jakob病の1例

冨田 逸郎1), 佐藤 克也2), 調 漸2), 長郷 国彦3), 佐藤 聡1), 辻畑 光宏1)

1)特別医療法人春回会長崎北病院神経内科
2)長崎大学大学院医歯薬総合研究所医療科学専攻病態解析・制御学(第1内科)神経病態制御学
3)健康保険諌早総合病院神経内科

急性に発症し,急速に進行したCreutzfeldt-Jakob病の1例で経時的にMRI拡散強調画像(DWI)検査を施行した.症状出現14日では明瞭ではなかったが,20日では皮質,基底核で明瞭な高信号域がみられた.MRIT2強調画像では皮質病変の検出はDWIより劣っていた.症状出現15日の時点の髄液のtau蛋白,14-3-3蛋白はすでに陽性となっていた.感度,特異性の面ですぐれていると思われるが,これらの検査が日常検査として可能になっていない現状では,DWIは簡便で,反復検査が可能でありCJDの早期診断に有用であると思われる.

(臨床神経, 44:182−186, 2004)
key words:CJD, tau protein, 14-3-3 protein Diffusion-weighted imaging

(受付日:2003年7月22日)