臨床神経学

原著

一次性new daily persistent headacheの臨床的検討―43例の発症様式,誘因,発症年齢,男女比,頭痛の性状,頻度について―

高瀬 靖, 中野 美佐, 巽 千賀夫

市立豊中病院神経内科〔〒560-0055 大阪府豊中市柴原町4-14-1〕

New daily persistent headache(以下NDPH)について検討した.当院で最近5年6カ月間に経験し,治療した慢性頭痛患者1,974例中,一次性NDPHは男性21例,女性22例,計43例であった.その発症様式は,とくに誘因が無く発症したもの28例(65%),ストレスが誘因となったもの7例(16%),ウイルス感染後5例(12%),手術後(頭頸部以外)3例(7%)であった.頭痛の性状は,重い,締め付けられる31例(72%),ズキズキ,拍動性4例(9%),両方の性状が混ざったもの8例(19%)であった.もともといわゆる頭痛持ちでない方が急にひどい頭痛持ちとなり,その治療は困難である事が多く,この病型を認識する事が大切と考えられた.

(臨床神経, 43:533−538, 2003)
key words:new daily persistent headache, chronic daily headache

(受付日:2003年6月6日)