臨床神経学

短報

拡散強調画像にて病変の経時的変化を確認したMarchiafava-Bignami病の1例

菅野 直人1), 永井 真貴子1), 志賀 裕正1), 椎名 厳造2), 糸山 泰人1)

1)東北大学大学院医学系研究科神経内科学講座〔〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1〕
2)渡辺病院脳神経外科 福島県原町市西町一丁目50番地

アルコール離断症状で発症し,頭部MRIの拡散強調画像で脳梁膨大部に高信号病変がみとめられたMarchiafava-Bignami病(MBD)の1例を報告した.病変はT2強調画像では不明瞭であった.ビタミン剤の投与,全身状態の改善により臨床的にも画像的にも改善がみとめられた.Marchiafava-Bignami病は一般に予後不良とされるが,早期に診断されれば治療が可能な疾患と考えられる.Marchiafava-Bignami病の早期診断には拡散強調画像が重要と考え報告した.

(臨床神経, 42:51−53, 2002)
key words:Marchiafava-Bignami病, 拡散強調画像, 脳梁膨大部

(受付日:2002年1月30日)