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神経内科の主な病気

(症状編) もの忘れ

 誰でも歳をとってくると「もの忘れ」をするようになります。たとえば、友人の名前を思い出せない、1分ぐらいしてからやっと思い出した、といったような場合です。こうした「もの忘れ」はいわゆる「度忘れ」で、歳相応の「もの忘れ」です。日常生活・社会生活に支障はありません。
 一方、認知症の「もの忘れ」は単なる「度忘れ」とは異なります。たとえば、昨日友達と会って食事をしたことを忘れて思い出せないといった、出来事(エピソード)自体を忘れてしまう「もの忘れ」です。このように出来事を忘れてしまうような「もの忘れ」が頻回にあると日常生活・社会生活に支障が出てきます。
 ものごとを記憶する、判断する、順序立てて行うなどの脳の機能を認知機能といいます。認知症は、認知機能が低下したために、日常生活・社会生活に支障があるようになった状態を指します。認知機能が正常な人が突然認知症になってしまうことは少なく、多くの場合、徐々に認知機能が低下していって認知症になります(図1)。認知機能が正常とはいえない、しかし認知症ともいえないグレイゾーンの状態を「軽度認知障害」とよびます。すなわち、軽度認知障害は、正常と認知症の中間的な状態で、もの忘れが目立ちますが日常生活には支障がない状態を指します(図1)。現在は、この軽度認知障害の段階で発見して原因を診断し、治療方針を立てることが重要なポイントになっています。

図1

 それでは、どのくらい認知症や軽度認知障害の人がいるでしょうか?社会の超高齢化に伴い、認知症の人は急増しています。最近のデータでは65歳以上の高齢者の約15%が認知症で、認知症と軽度認知障害を併せると30%近くに達することがわかっています。5歳刻みの年齢層ごとにみると、85~89歳になると6割以上、90歳以上では8割以上の人が認知症または軽度認知障害になっています。長生きをすれば、誰でも認知症になる可能性が高いのです。

 認知症や軽度認知障害の原因にはさまざまな病気があります。それらの中で、一番多いのはアルツハイマー病という病気で認知症の6割以上を占めます。それに次いで多いのがレビー小体型認知症、血管性認知症といわれています。これらの代表的な認知症の病気については、疾患・用語編で説明します。
 大切な点は、原因の病気によって治療法や予防法が異なるということです。ですから、できるだけ早く発見して、原因になっている病気をつきとめ、適切な方針を立てることが大切です。「もの忘れ」が心配になったら、なるべく早めに脳神経内科を受診することをお勧めします。

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