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学術大会概要

大会長挨拶

佐々木 秀直

第59回日本神経学会学術大会
大会長 佐々木秀直
北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野神経内科学教室 特任教授

 第59回日本神経学会学術大会を2018年5月23日(水)から26日(土)までの4日間にわたり、札幌市で開催させて頂くことになりました。会場はロイトン札幌を中心として、それに隣接するさっぽろ芸文館(旧北海道厚生年金会館)と札幌市教育文化会館を合わせた三施設です。

 今大会のテーマは「神経疾患の克服を目指して(Overcome the Challenges of Neurological Disorders)」です。このテーマは日本神経学会創設の理念でもあります。「今は治せない病気も、研究して、いつか治したい」という気持ちを込めて、このテーマとさせて頂きました。もう一つ、国民の神経疾患医療を支えるのは私たち神経内科医なのだ、という気持ちも込めています。
 近年、神経疾患の研究は大きく進歩しています。病因や病態機序が分子レベルで解明されつつあり、新たな創薬への期待が高まっています。さらに生物学や理工学領域で育まれた知識と技術が医療にも展開され、診断、治療薬とその選択、リハビリテーション、介護などから医療経済や行政にわたるまで広範な変革をもたらしつつあります。このような時代においても、神経内科医としての診療の基本が丁寧な問診と神経学的診察にあることが変わることはないでしょう。
 日本は世界に類をみない超高齢化社会に突入しています。認知症性疾患の克服は大きな課題となっています。そこで、今回の学術大会ではplenary lectureに認知症を取り上げることに致しました。認知症の克服に向けたイギリスの取り組みについて、NIHRからM. Rossor先生にお越し頂きます。Semi-plenary lecture においては、G. K. Wenning先生(インスブルック医科大学)から多系統萎縮症の分子病態と治療への展望についてご講演頂きます。そして、特別講演としてはHIVの治療法開発で輝かしい業績を挙げた満屋裕明先生(現国立国際医療研究センター研究所)にお越し頂きます。それ以外に、内外の専門家によるシンポジウムの充実にも努めています。一般演題においては、神経疾患の臨床・基礎研究に加えて、神経疾患診療に関する演題の応募も歓迎致します。是非、ご参加頂き、活発な討議を期待しています。

 日本神経学会は学術大会においては教育プログラムも重視して企画してきました。教育企画においては、例年と同じく、会員のみならず、研修医、医学生、メディカルスタッフの方々を対象に様々な企画を準備しています。この学術大会が広く神経疾患医療に携る多職種の方々の交流と研鑽の場となることを期待しています。また、学術大会には東南アジア諸国を中心に海外からの演題を歓迎しています。この機会に、国際的に活躍されている海外の研究者も招待する予定です。前年のWCN2017と合わせて、この学術大会が国際交流を深める機会となれば幸いです。

 最後に、5月の北海道は山々に残雪が残っていますが、花々が咲き乱れ、新緑に覆われる時期です。5月下旬はライラックの花が見頃となります。美しく、慌ただしく、そして短い春ではありますが、この機会に学術大会へ参加されて、晩春の北海道を楽しんでいただけたらと思います。