臨床神経学

症例報告

認知症発症10年以上前より特徴的な微小石灰化と脳梁菲薄化を認めた神経軸索スフェロイドと顆粒状グリアを伴う成人発症白質脳症の1例

岡本 美由紀1), 竹下 潤1), 高橋 一則2), 田中 朗雄3), 吉田 邦広4), 栗山 勝1)*

Corresponding author: 脳神経センター大田記念病院脳神経内科〔〒720-0825 広島県福山市沖野上町3-6-28〕
1)脳神経センター大田記念病院脳神経内科
2)高橋脳神経外科
3)脳神経センター大田記念病院放射線科
4)信州大学医学部神経難病学講座

症例は44歳男性.11年前に頭痛で近医受診した.1年前から仕事の失敗が多い.認知機能低下,前頭葉症状,両側錐体路徴候を認めた.頭部MRIで大脳萎縮,脳梁に局所的な菲薄化,大脳白質にまだら状の病変,多発性嚢胞性病変を認め,頭部CTで側脳室前角周囲および頭頂葉に点状の微小石灰化を認め,矢状断で脳梁外側に特徴的な飛び石状石灰化を認めた.11年前の画像では白質病変と脳萎縮は軽いが,側脳室前角周囲と頭頂葉の微小石灰化と脳梁の菲薄化を認めた.Colony stimulating factor 1 receptor(CSF1R)のエクソン18内にp.R782Cのde novoの新規変異を認め,神経軸索スフェロイドと顆粒状グリアを伴う成人発症白質脳症と確定診断した.
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(臨床神経, 57:521−526, 2017)
key words:adult-onset leukoencephalopathy with axonal spheroids and pigmented glia(ALSP),colony stimulating factor 1 receptor(CSF1R),脳梁菲薄化,飛び石状石灰化,多発性嚢胞

(受付日:2017年6月11日)