臨床神経学

総説

ジストニアの診断とボツリヌス療法

中村 雄作1)*

Corresponding author: 近畿大学医学部堺病院神経内科〔〒590-0132 大阪府堺市南区原山台2-1-7〕
1)近畿大学医学部堺病院神経内科

ジストニアの診断は,確定的な検査法がなく不随意運動の診察には経験が必要で難解である.ジストニアガイドラインでもエビデンスのある薬剤はほとんどない.局所性ジストニアの治療の第一選択はボツリヌス毒素であり有効性の高い薬剤である.ボツリヌス治療の効果向上には正しい筋選択が重要である.筋電図ガイドやエコーガイドなどによりボツリヌス治療成績は向上する.しかし,本邦では不随意運動やボツリヌス治療の専門医が少なくボツリヌス治療は充分に用いられていない.ジストニアの診断とボツリヌス治療の役割と重要性について述べた.
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(臨床神経, 57:367−372, 2017)
key words:ジストニア,ボツリヌス毒素,痙性斜頸,筋電図ガイド,筋選択

(受付日:2017年2月14日)