臨床神経学

短報

音楽大学生における音楽家のジストニアの実態調査

小仲 邦1), 望月 秀樹1)*

Corresponding author: 大阪大学大学院医学系研究科神経内科学〔〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番2号〕
1)大阪大学大学院医学系研究科神経内科学

音楽家におけるジストニアは動作特異性ジストニアの一つとして知られる.長年同じ演奏動作をくりかえすことで生じるとされるが,その実態の詳細は明らかではない.また疾病が社会的に周知されていないことから患者自身が医療機関を受診していない可能性も考えられる.われわれは音楽大学の学生を対象として音楽家におけるジストニアについてはじめてアンケート調査を施行した.480名の対象者のうち本疾病を認識している学生は29%であった.1.25%の学生において演奏時にジストニアが出現するとの回答がえられた.
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(臨床神経, 55:263−265, 2015)
key words:音楽家,音楽大学,アンケート,動作特異性ジストニア

(受付日:2014年6月20日)