臨床神経学

症例報告

肺胞出血をともなう抗CADM-140抗体陽性皮膚筋炎の1剖検例

佐藤 健太1), 両角 佐織2), 竹内 有子1)*, 落合 淳1), 馬渕 千之1)

Corresponding author: 名古屋掖済会病院神経内科〔〒454-8502 名古屋市中川区松年町4-66〕
1)名古屋掖済会病院神経内科
2)名古屋第二赤十字病院神経内科

症例は47歳女性である.手足のむくみ,四肢近位優位の全身の痛みで受診した.四肢の皮疹,高度の関節痛・筋痛・咽頭痛,血清CKの上昇をみとめた.筋生検の所見と合わせ皮膚筋炎と診断した.ステロイド・免疫抑制剤の使用にもかかわらず,急速進行性間質性肺炎にて死亡した.抗CADM-140抗体は無筋炎型皮膚筋炎(amyopathic dermatomyositis; ADM)を中心に報告され,陽性例では重篤な間質性肺炎を合併する.本症例では血清で抗CADM-140抗体をみとめたが,CK上昇,高度の筋痛・咽頭痛を呈し,剖検では,びまん性肺胞障害による肺胞出血をみとめた点が特徴的であった.
Full Text of this Article in Japanese PDF (11131K)

(臨床神経, 54:408−412, 2014)
key words:抗CADM-140抗体,皮膚筋炎,間質性肺炎,肺胞出血

(受付日:2013年5月8日)