臨床神経学

<Symposium 03-2> 神経疾患における睡眠障害

パーキンソン病と睡眠障害

野村 哲志1), 井上 雄一2), 中島 健二1)

1)鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科分野〔〒6838503 鳥取県米子市西町361〕
2)東京医科大学睡眠学講座

パーキンソン病(Parkinson's disease; PD)患者は,睡眠障害を生じることが多い.原因としては運動症状,夜間諸問題や精神症状だけでなく,その他の睡眠障害である日中の眠気(Excessive daytime sleepiness; EDS),レム期睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder; RBD),下肢静止不能症候群(Restless legs syndrome; RLS),睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome; SAS)などが挙げられる.とくに,RBDはPDの病前症状として注目されている.PDの1/3にRBD症状をみとめる報告があり,運動機能障害,自律神経機能,認知機能の増悪因子であるという報告もある.PDの睡眠障害の原因は多様なので,詳細を充分検討した上で対処する必要がある.しかし,PDでのそれぞれの睡眠障害の対応についてはエビデンスが不足しており,データーの蓄積が必要である.
Full Text of this Article in Japanese PDF (398K)

(臨床神経, 54:987−990, 2014)
key words:日中の眠気,レム期睡眠行動異常症,下肢静止不能症候群,睡眠時無呼吸症候群

(受付日:2014年5月21日)