臨床神経学

<Super Expert Session 01-2> 脳梗塞急性期診療における脳血管内治療と神経内科医の役割

脳梗塞急性期治療の現状そしてこれから:脳血管内治療

岩田 智則1)

1)湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター脳卒中診療科〔〒247-8533 神奈川県鎌倉市岡本1370-1〕

脳血管内治療は近年めざましい進化を遂げており,主幹動脈閉塞による脳梗塞急性期での脳血管内治療は効果的な治療であり,重要な治療選択肢の1つである.しかし,現状では標準的内科治療(rt-PA静注療法をふくむ)に対する脳血管内治療の優越性を示す臨床試験(RCT)はない.今後は,脳血管内治療の対象患者を適切に決定し,今まで以上に再開通までの時間を短縮し,再開通率を上げる必要性がある.適切な画像診断をもちいた適応基準と新しい経皮経管的脳血栓回収機器:カテーテルデバイスをもとに,脳梗塞急性期における脳血管内治療の有効性のエビデンスがえられることを期待する.
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(臨床神経, 54:1200−1202, 2014)
key words:脳血管内治療,脳梗塞急性期,RCT,経皮経管的脳血栓回収機器

(受付日:2014年5月23日)