臨床神経学

<公募Symposium 05-3> 認知症根本治療の実現へ向けて

認知症の疾患修飾薬の現状〜抗タウオパチー薬を中心として〜

添田 義行1), 高島 明彦1)

1)国立長寿医療研究センター認知症先進医療開発センター分子基盤研究部〔〒474-8511 愛知県大府市森岡町源吾35番地〕

認知症は高齢社会にともなって患者数が増加している.その内,アルツハイマー病や前頭側頭葉変性症の一部の疾患は微小管結合蛋白質のタウが脳内に沈着することから,タウオパチーで総称される.したがって,タウは疾患を超えて認知症病態に関与すると考えられ,タウ標的薬剤(リン酸化阻害および凝集阻害剤など)は認知症治療薬として有望である.そこで本稿では,タウを標的とした薬剤の現在までの成績を臨床試験を中心としてまとめ,今後の認知症治療薬開発の一助としたい.さらに,われわれが発見した新規タウ凝集阻害剤の成績を記載した.これらの実験結果から,タウ凝集が認知症治療の重要なターゲットとなる可能性が示唆された.
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(臨床神経, 54:1178−1180, 2014)
key words:タウ凝集阻害剤,タウオパチー

(受付日:2014年5月21日)