臨床神経学

<Symposium 31-3> 神経変性疾患における神経炎症

パーキンソン病と神経炎症

斉木 臣二1)

1)順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科〔〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1〕

パーキンソン病(PD)をふくむ神経変性疾患の病態進行にグリア細胞の関与する神経炎症が寄与することが明らかになりつつある.PD分子病態での神経炎症の役割については,疾患発症との因果関係は明らかでないものの,炎症性サイトカイン(IL-1β,TNFTα,IL-6等)や,細胞外細α-synucleinによるミクログリア活性化が病勢進行を促進するとされ,またPD患者血清/血漿では,IL-1β,TNFTα,IL-2,ApoA1などが特異的に上昇すると報告されている.本稿では神経炎症のPD分子病態への関与について,当方での知見を組み入れつつ,文献的知見を加え,まとめる.
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(臨床神経, 54:1125−1127, 2014)
key words:パーキンソン病,ミクログリア,炎症性サイトカイン,バイオマーカー

(受付日:2014年5月24日)