臨床神経学

<Symposium 08-1> 自律神経の臨床

圧受容器反射をもちいた自律神経機能の評価

山元 敏正1)

1)埼玉医科大学神経内科〔〒350-0495 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38〕

圧受容器反射(BR)をもちいた自律神経機能検査について解説した.I.起立試験:BRを介して交感神経が賦活され,下垂体後葉からアルギニン・バゾプレシンが分泌される.II.心拍・血圧変動の周波数解析:心拍変動の高周波成分は副交感神経機能を反映し,低周波成分はBR機能の指標となる可能性がある.血圧変動の低周波成分は交感神経機能を反映することが示唆されている.III.Valsalva試験による圧感受性検査:血圧とRR間隔の相関からBR機能をみたものである.IV.心拍数・血圧の相関:心拍数・血圧の相関は中枢自律神経線維網内の障害の質的差を反映する可能性がある.
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(臨床神経, 54:1034−1037, 2014)
key words:圧受容器反射,圧感受性検査,起立性低血圧,周波数解析,心拍数・血圧の相関

(受付日:2014年5月22日)