臨床神経学

<シンポジウム(1)―1―2>パーキンソン病の初期診断

神経放射線診断

織茂 智之1)

1)関東中央病院神経内科〔〒158-8531 東京都世田谷区上用賀6-25-1〕

パーキンソン病の初期診断における神経放射線診断について解説する.脳MRIはパーキンソン症候群の鑑別診断には必須の検査で,近年拡散強調画像,神経メラニン画像などが導入されている.MIBG心筋シンチグラフィはパーキンソン病とその他のパーキンソン症候群を鑑別する際にしばしばもちいられ,初期診断にも有用である.脳血流スペクトは,脳MRIなどで萎縮がみとめられる前に,神経細胞の機能低下部位として確認されることがあり,初期診断に有用なことがある.ドパミントランスポーター画像は本邦では未承認であるが,パーキンソン症候群を呈する変性疾患では病早期から異常がみとめられ,パーキンソン病の初期診断にも有用である.
Full Text of this Article in Japanese PDF (1082K)

(臨床神経, 53:977−980, 2013)
key words:脳MRI,神経メラニン画像,MIBG心筋シンチグラフィ,脳血流スペクト,ドパミントランスポーター画像

(受付日:2013年5月29日)