臨床神経学

<教育講演(2)―4>

薬物療法の効果を向上させる技術〜グローバルの視点をふくめて〜

野元 正弘1), 永井 将弘1), 西川 典子1), 辻井 智明1), 岩城 寛尚1)

1)愛媛大学大学院医学系研究科薬物療法・神経内科〔〒791-0295 愛媛県東温市志津川454〕

用量の国際比較,治療薬の個体差,添付文書の評価と使い方,およびグローバル化と医学・医療を取り上げた.日本での承認用量は海外よりも少ないものが多い.用量幅が広いと個体差に対応して用量の調節が可能となり,治療効果は高くなる.一方,効果と副作用を見極める細かな観察が求められる.個体差には個体間差と個体内差がある.いずれにも薬物動態が影響しており相互作用など情報を収集して治療をおこなう.添付文書は法的根拠を持つ薬の唯一の取扱説明書とされる.アジア諸国の発展とともに日本の役割も変化しつつある.脳神経系の薬はもっとも発展しており,日本の研究が世界の医療に貢献しつつあり神経内科医の役割は大きい.
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(臨床神経, 53:907−910, 2013)
key words:用量の国際比較,個体差,添付文書,世界への貢献

(受付日:2013年5月30日)