臨床神経学

<シンポジウム(4)―15―5>救急場面における神経内科医のプレゼンス

ER医が神経内科医に期待するもの

中森 知毅1)

1)独立行政法人労働者健康福祉機構横浜労災病院救命救急センター救急災害医療部〔〒222-0036 神奈川県横浜市港北区小机町3211〕

救急外来の運営の仕方は,病院の立地する地域,各病院の体制やその医療に対する考え方によって大きく異なっている.この中で北米型ER方式で運営される救急外来(ER)には,神経症候や神経疾患を主訴として来院する患者が少なくない.しかし神経診察手技は,神経内科医の特殊な技能であり,容易に救急医(ER医)に教授できるものではない.当院では,ER医が苦手をしていた頻度の高い神経症候への対応法を,神経内科医とER医が協同して,考慮することによって,ER医から神経内科への診察依頼を改善することができた.救急の立場から神経内科に期待するものは何か考察した.
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(臨床神経, 53:1373−1375, 2013)
key words:北米型ER方式,ER医,めまい,神経救急

(受付日:2013年6月1日)