臨床神経学

<シンポジウム(4)―14―2>今後の医療を支えるために
〜女性医師のキャリアを持続させるためには?〜

男女共同参画への近畿大学神経内科の取り組み

宮本 勝一1)

1)近畿大学医学部神経内科〔〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2〕

近年,多くの大学病院はマンパワー不足であり,女性医師の出産後の退職がその一因であるとの指摘がある.しかし彼女らの多くは出産後の復職を希望しており,就労条件が合わないため止むを得ず退職している.そこで当大学では,正規よりも少ない勤務時間であっても医師を確保したい大学側と,賃金がやや低くても産後も常勤医として働きたい女性医師との思惑が一致した就労形態「特別就労形態に関する規定」を新設した.就労時間は週30時間(1週あたり4日以上)の日勤帯業務で当直を免除するかわりに,給与は正規常勤医よりも低く設定されている.この就労形態は当科だけではなく全科に適用されており,出産後医師の大学への復職者が増えた.
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(臨床神経, 53:1358−1360, 2013)
key words:男女共同参画,医師不足,出産休暇

(受付日:2013年6月1日)