臨床神経学

<シンポジウム(4)―11―1>GBS/CIDPをめぐる最新の話題

Guillain-Barré症候群の予後因子

海田 賢一1)

1)防衛医科大学校内科学講座神経・抗加齢血管内科〔〒359-8513 埼玉県所沢市並木3-2〕

ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome; GBS)の30%は免疫グロブリン静注療法(IVIg)に反応しない治療抵抗例であり,GBSの10%に治療後に再度増悪する治療関連変動がみられる.最近の前方視的研究では発症後1年での独歩不能例は16%である.GBSの予後関連因子は臨床的因子,電気生理学的因子,生物学的因子に分類され,現在でも臨床的因子が予後予測にもっとも有用である.これには人工呼吸器装着を予測するEGRIS,3〜6ヵ月後の歩行障害を予測するmodified EGOSといった評価法がある.IVIg投与後の血清IgG上昇率も機能障害を予測する因子として有用である.これらの予後因子をもとに予後を正確に予測することは,予後不良例を早期に判別して強力な治療をおこなうことを可能にし,GBSの予後改善に貢献する.
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(臨床神経, 53:1315−1318, 2013)
key words:ギラン・バレー症候群,予後,人工呼吸器装着,治療関連変動

(受付日:2013年6月1日)