臨床神経学

<シンポジウム(4)―9―2>より良い在宅医療をめざして

神経難病における在宅栄養管理;ALS患者の在宅ケア・終末期ケアを中心として

清水 俊夫1)

1)東京都立神経病院脳神経内科〔〒183-0042 東京都府中市武蔵台2-6-1〕

神経難病における栄養療法を考えるばあい,疾患の特異性,進行速度,生命予後を十分に理解してとりくむ必要がある.とくに筋萎縮性側索硬化症(ALS)においては,栄養障害は生命予後を規定する因子の一つであるとされており,早期に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)による栄養療法を開始することが推奨されている.またPEGは,「生活の質(QOL)」の向上においても必須であり,PEGの意義・目的を正しく理解し,造設の適切なタイミングを見誤らないことが肝要である.またPEGは終末期の投薬ルートとしても必要で,終末期緩和治療へのスムーズな導入のための有効な手段であることを認識したい.
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(臨床神経, 53:1292−1294, 2013)
key words:筋萎縮性側索硬化症,栄養不良,経皮内視鏡的胃瘻造設術,緩和ケア,終末期ケア

(受付日:2013年6月1日)