臨床神経学

<シンポジウム(4)―8―4>今後の難病医療

当事者からみた難病医療の改革

伊藤 たてお1)

1)一般社団法人日本難病・疾病団体協議会〔〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-28 飯田橋ハイタウン610号〕

1972年から実施されている我が国の難病対策は,抜本的な改革がなされようとしている.
難病患者も対象とする「障害者総合支援法」が2013年4月から施行された.それによる大きな変化が3点ある.
1)難病患者への支援が法律による義務としての自治体の事業となったこと
2)固定した障害だけでなく,症状が厳しく変化する病気(難病)も障害者福祉の対象となったこと.障害の定義が変わり,福祉施策が大きく変化すること
3)難病患者も就労支援の対象となったこと
本稿では,一人の難病患者として「難病患者が生きていくことができる社会は,すべての人が生きていくことができる社会である」という問題提起をおこなう.
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(臨床神経, 53:1287−1289, 2013)
key words:難病,難病対策,障害者総合支援法,生活者,就労機会

(受付日:2013年6月1日)