臨床神経学

<シンポジウム(4)―6―4>脳卒中のリハビリ:回復期6か月の壁をこわす新しい治療戦略

促通反復療法の治療成績と効果的な併用療法の開発

下堂薗 恵1)

1)鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学〔〒899-6603 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3930-7〕

促通反復療法は伸張反射や皮膚筋反射の誘発と,患者の動かそうとする意志や患肢への注視,治療者による口頭指示とのコンビネーションによって患者の意図した運動をより容易に実現させ,それを集中的に反復する訓練である.最近われわれは脳卒中回復期における片麻痺上肢への促通反復療法の有用性について治療時間をマッチングさせた伝統的通常治療とのランダム化比較試験によって実証した.促通反復療法は,限られた時間内で訓練の量と質を確保した運動療法であり,今後,振動刺激や電気刺激,ボツリヌス療法,経頭蓋磁気刺激など他の治療法との併用により,さらなる効果が期待され,回復期6ヵ月の壁をこわす新しい治療戦略として有望な手段と思われる.
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(臨床神経, 53:1267−1269, 2013)
key words:脳卒中,片麻痺,上肢,促通,リハビリテーション

(受付日:2013年6月1日)