臨床神経学

<シンポジウム(4)―2―4>片頭痛を基礎疾患とする薬物乱用頭痛の病態解明と治療

慢性片頭痛の治療

渡邉 由佳1), 高嶋 良太郎1), 岩波 久威1), 鈴木 紫布1), 五十嵐 久佳2), 平田 幸一1)

1)獨協医科大学神経内科〔〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林880〕
2)富士通クリニック頭痛外来

今年,日本神経学会,日本頭痛学会から慢性頭痛の診療ガイドライン2013が出版され,あらたに「慢性片頭痛はどのように治療するか」というCQが設けられた.2010年にバルプロ酸(VPA)が片頭痛治療に保険適用が追加になり,プロプラノロール,アミトリプチリン,ベラパミルも続き片頭痛治療は躍進した.エビデンスのある慢性片頭痛の薬物治療には,VPA,トピラマート(TPM),レベチラセタム,ガバペンチン,アミトリプチリン,チザニジンが挙げられる.わが国では,VPA,TPM(保険適用なし),アミトリプチリンが考えられ,今までの経験を考慮してロメリジンも挙げられる.ただし片頭痛予防薬としてのVPAは妊娠女性には禁忌である.
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(臨床神経, 53:1228−1230, 2013)
key words:慢性片頭痛,バルプロ酸,ガイドライン,妊娠女性,禁忌

(受付日:2013年6月1日)