臨床神経学

短報

副腎皮質ステロイドが奏功した脳アミロイドアンギオパチー関連白質脳症の1例

岩永 健1)3)*, 兼子 宜之1), 西村 広健2), 木村 和美1)

Corresponding author: 川崎医科大学脳卒中医学〔〒701―0192 岡山県倉敷市松島577〕
1)川崎医科大学脳卒中医学
2)同 病理学1
3)岡山赤十字病院脳卒中科

症例は80 歳代の女性である.痙攣後に右片麻痺,右半側空間無視をみとめ頭部MRI FLAIR 画像において左大脳半球皮質下にびまん性に左右不対称に広がる白質病変をみとめた.神経症候の増悪とMRI 所見で白質病変の増大がみられた.以前より認知症があり,T2強調画像において皮質下に微小出血をみとめることからアミロイドアンギオパチーをうたがい脳生検をおこなった.アミロイド蛋白の沈着ならびに血管周囲への軽度の炎症細胞浸潤を呈したことからアミロイドアンギオパチー関連白質脳症と診断した.ステロイド治療により著明な神経症候の改善にともないFLAR 画像における白質病巣の改善がみられた.
Full Text of this Article in Japanese PDF (675K)

(臨床神経, 52:585−588, 2012)
key words:アミロイドアンギオパチー,白質病巣,微小出血

(受付日:2011年8月22日)