臨床神経学

総説

頸椎症の診療

安藤 哲朗

Corresponding author: 安城更生病院神経内科〔〒446―8602 安城市安城町東広畔28番地〕安城更生病院神経内科

頸椎症は50歳以上の人では高頻度であり,神経根症と脊髄症をおこす.放射線画像上の頸椎症性変化は無症候性のことも多いので,神経症候が頸椎症からおこっているのか,それとも他の神経疾患からおこっているのかを評価する必要がある.誤診を防ぐためには画像上の病変の高位と神経症候とを対比することが重要である.とくに頸椎症と筋萎縮性側索硬化症の鑑別診断は臨床上重要な問題である.頸椎症患者の経過や予後は様々なので,予測はかなり困難である.多くの患者は比較的良好な経過をとる.
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(臨床神経, 52:469−479, 2012)
key words:頸椎症,筋萎縮性側索硬化症,脊髄サルコイドーシス,鑑別診断

(受付日:2012年3月28日)