臨床神経学

<シンポジウム(2)―10―1>ここまで分かった筋疾患

抗SRP抗体陽性ミオパチー(anti-SRP myopathy):筋炎との相違点

鈴木 重明

慶應義塾大学医学部神経内科〔〒160―8582 東京都新宿区信濃町35番地〕

Signal recognition particle(SRP)に対する自己抗体はこれまで重症,治療抵抗性の筋炎との関連が報告されてきた.しかし,抗SRP抗体陽性ミオパチー(anti-SRP myopathy)の筋病理はリンパ球の細胞浸潤が乏しい壊死性ミオパチーが特徴的であり,筋炎とはことなる疾患概念として捉えるべきである.抗SRP抗体陽性ミオパチーの中には比較的若年で発症し,慢性に経過する症例が存在し,筋ジストロフィーに類似した経過をとる症例がふくまれている.
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(臨床神経, 52:1148−1150, 2012)
key words:自己抗体,RNA免疫沈降法,signal recognition particle(SRP),壊死性ミオパチー

(受付日:2012年5月24日)