臨床神経学

原著

3テスラMRIによる中脳黒質neuromelanin-related contrastの描出:正常およびパーキンソン病における比較

田中 真1)2)*, 相原 優子1)2), 池田 祥恵1)2), 相原 芳昭1)

Corresponding author: 医療法人育生会篠塚病院〔〒375―0017 群馬県藤岡市篠塚105―1〕
1)医療法人育生会篠塚病院
2)北関東神経疾患センター

3テスラMRIにて正常者とパーキンソン病(PD)例の黒質神経メラニンをneuromelanin-related contrast(NRC)として画像化し半定量した.正常加齢でNRCは増加した.PDで高度に減少し,重症度・罹病期間と負相関をみとめた.幻覚あり群で高度に低下し,嗅覚障害の有無で差がなく,レム睡眠行動異常で中間的な値を示し,症状発現時期に依存すると推定した.PDのNRCの減少は腹外側から正中に向かって進行した.レビー小体型認知症で減少しているがPD症状があるとより高度に減少した.NRCは既知の病理所見と整合性をみとめたが,NRCの意義や特異性および近縁疾患での検討を重ねる必要がある.
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(臨床神経, 51:14−20, 2011)
key words:神経メラニン,パーキンソン病,加齢,中脳黒質,MRI

(受付日:2010年7月30日)