臨床神経学

短報

妊娠後期に発症したGuillain-Barré症候群の2例

荒木 俊彦1)*, 中田 悠皓1)2), 楠 進3)

Corresponding author:川口市立医療センター神経内科〔〒333-0833 埼玉県川口市西新井宿180〕
1)川口市立医療センター神経内科
2)現 北千住東口腎クリニック
3)近畿大学医学部神経内科

妊娠30週と妊娠28週に合併したGuillian-Barré症候群(GBS)の2例を経験した.サイトメガロウィルス(CMV)感染の新たな感染が1例,既感染が1例でみとめられた.血液中の抗ガングリオシド抗体はIgM抗GM2抗体は2例とも陽性,1例ではIgM抗GalNAc-GD1aも陽性であった.CMV感染後GBSでは症状の重症化・呼吸不全をみとめたが,CMV既感染GBSでは軽症であった.
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(臨床神経, 50:24−26, 2010)
key words:ギラン・バレー症候群, 妊娠, サイトメガロウィルス, GM2, GalNAc-GD1a

(受付日:2009年1月26日)