臨床神経学

第50回日本神経学会総会

<日本神経学会2008年度楢林賞受賞者招待講演>
パーキンソン病の遺伝子治療研究

望月 秀樹

北里大学医学部神経内科学〔〒228-8555 神奈川県相模原市北里1-15-1〕

近年パーキンソン病治療としてアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターをもちいた4種類の遺伝子治療クリニカルトライアルphase Iが開始された.遺伝子治療法の主体はアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターで,それ自身の病原性や自己増殖等はみとめない.パーキンソン病に対する遺伝子治療は,現在必ずしも最良の治療とは思わないが,さらなる進歩により将来的に新たな治療手段になる可能性は否定できない.本稿では,パーキンソン病遺伝子治療の臨床研究の紹介とそれに関連するわれわれの遺伝子治療研究について概説する.
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(臨床神経, 49:753−755, 2009)
key words:遺伝子治療, パーキンソン病, アデノ随伴ウイルスベクター, パーキン

(受付日:2009年5月20日)