臨床神経学

短報

MRIにて脳梁膨大部に一過性の異常信号をみとめたCharcot-Marie-Tooth病の1例

杉江 正行, 石原 健司, 清水 祐樹, 大野 英樹, 河村 満

昭和大学神経内科〔〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8〕

症例は34歳の男性である.思春期より下肢遠位筋の筋力低下,筋萎縮および足の変形をみとめ,病歴や各種所見よりX連鎖性Charcot-Marie-Tooth病(CMTX)と推定した.経過中,頭部MRIにて一過性の脳梁膨大部異常信号を呈したが,脳梁離断症状はともなわなかった.これまで,CMTXにおける類症が少数例報告されており,本例の病態には乏突起膠細胞上のgap junctionを形成するconnexin32蛋白の発現異常に加え,星状膠細胞の一過性機能障害の関与も推定された.
Full Text of this Article in Japanese PDF (394K) 会員限定

(臨床神経, 48:359−362, 2008)
key words:X連鎖性Charcot-Marie-Tooth病, 脳梁膨大部, connexin32

(受付日:2007年11月12日)