短報
球後視神経炎として15年間経過観察されていたAZOOR（acute zonal occult outer retinopathy）の1例
新堂 晃大1）, 小久保 康昌1）, 谷口 彰1）, 久瀬 真奈美2）, 葛原 茂樹1）
1）三重大学 神経内科〔〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174番地
〕
2）三重大学 眼科
症例は30歳女性である．15歳から右眼の光視症と視野欠損をくりかえし，球後視神経炎と診断されステロイドで治療されたが改善せず，自然軽快をくりかえした．30歳時にも視野の異常が出現したため当院に入院した．神経学的所見に異常なし．視野検査で右マリオット盲点の拡大をみとめた．Multifocal electroretinogramを施行し，右マリオット盲点領域で振幅低下をみとめ，acute zonal occult outer retinopathy（AZOOR）と診断した．AZOORは神経内科領域では馴染みが薄い．球後視神経炎と誤診される可能性があるため，注意が必要である．
(臨床神経, 47：116−118, 2007)
key words：球後視神経炎, acute zonal occult outer retinopathy（AZOOR）, 多発性硬化症
（受付日：2006年8月23日）
