臨床神経学

短報

67Gaシンチグラフィーで眼窩部への集積をみとめた眼窩筋炎の2症例

立石 貴久, 田中 公裕, 光尾 邦彦

独立行政法人国立病院機構 別府医療センター 神経内科〔〒874-0011 大分県別府市内竃1473〕
現 九州大学大学院医学研究院附属脳神経病研究施設神経内科学〔〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1〕

67Gaシンチグラフィーで眼窩部へ集積をみとめた眼窩筋炎の2症例を報告した.症例1は34歳男性で,両側の眼瞼腫脹,全方向への眼球運動障害,およびMRIにて両側外眼筋の著明な腫脹をみとめた.症例2は64歳女性で,両側の外転障害をみとめたが,MRIでは外眼筋の異常をみとめなかった.2例とも67Gaの両側眼窩部への異常集積をみとめた.ステロイド治療にて症状は著明に改善し,異常集積は消失した.67Gaの集積が眼窩筋炎の活動性を反映し,MRIで外眼筋に所見がない症例でも診断に有用であると考えられた.

(臨床神経, 46:55−58, 2006)
key words:眼窩筋炎, MRI, 67Gaシンチグラフィー

(受付日:2004年11月12日)